Tableau Tips: スマートフォン用のダッシュボードを作成する際のポイントについて
Tableauでの可視化環境を構築する上では、まずはTableau Desktop/Tableau Serverを活用する事から始まると思いますが、状況によってはスマートフォンを活用した環境を必要とする場合もあるかも知れません。しかしTableauでは閲覧の環境に応じてその表示方法を変えるような、所謂『レスポンシブなデザイン』には対応していません。スマートフォンで表示させるならばスマートフォン環境ならではのデザイン、ビューやダッシュボードを用意する必要があるのです。
先日Tableau公式で展開されていた以下のブログエントリでは、その辺りについて非常に有用なポイントがまとめられていたので当エントリではその内容をざっくり読んでみたいと思います。
目次
- Determine the Dashboard's Focus and Context(ダッシュボードの"焦点"と"コンテキスト"を決める)
- Interactivity: There’s an App for That(双方向性: アプリケーションはそのためにある)
- Utilize Story Points(ストーリーポイントの活用)
- Consider Wide or Long Dashboards(横長 or 縦長のダッシュボードを検討してみる)
- まとめ
Determine the Dashboard's Focus and Context (ダッシュボードの"焦点"と"コンテキスト"を決める)
キャンバスのサイズ、そしてモバイルデバイス上でユーザーが目にする事が出来る"事実"は小さいため、ユーザーがそれらを参照する際に必要とする手間をなるべく掛けないようにする事が重要です。そのため、モバイルのダッシュボードは特定の限られた機能を持たせる傾向にあります。
スペースの都合上、多くの情報を詳細に提供する事は出来ません。PCを介して構築されたダッシュボードのつまみを動かすのでさえ手間になるでしょうし、特定の数字に対して充分なコンテキストを提供するのも難しくなります。ある月の売上額の様々な要素を表示しようと思っても、小さなキャンバスに全ての要素を表現する事は出来ないのです。
Interactivity: There’s an App for That (双方向性: アプリケーションはそのためにある)
スマートフォンで、サイズを調整したり文字を読むために画面を拡大したり絞ったりする操作は面倒なものです。フィルタやインタラクティブな機能をダッシュボードに追加する事も必ずしも効果的であるとはいえません。スマートフォン自体に罪はないのに『使えないな』と思われてしまいかねません。
幸い、Tableauには『Tableau Mobile App』というアプリがあります。モバイルに於けるフィルタをポップで扱いやすくなるように最適化し、論理的なスクロール、スワイプ、ピンチ、ズーム処理を実行出来ます。
様々なブランド、サイズ、世代のスマートフォン・携帯電話を所持するユーザーがいる組織であれば、ユーザーの所持するデバイスの大半を満たすであろう画面のサイズや双方向性のレベルを探る対処を行う必要があります。
以下は現在のモバイルデバイス用のCSSの設定に関するリソースのワークブックです。ダッシュボードのサイズを決める際に役立つ事でしょう。
(※下記画像をクリックするとTableau Publicへ遷移します。)
Utilize Story Points (ストーリーポイントの活用)
ストーリーポイントは、スマートフォン環境に於いて有効に活用する事が出来ます。このスタイルを用いる際に、特にストーリーを添える必要はありませんが、ダッシュボード関連のグルーピングを行う為に最適なソリューションと言えるでしょう。
この例では、異なる焦点を持ったダッシュボードが複数存在し、必要な具体策を見つけるためのストーリーポイントをユーザーがスワイプ出来るようになっています。(※下記Tableau Publicはそのまま操作出来ます。)
上記ダッシュボードでは、サイズが以下の内容で定められています。
- ストーリー:横:350px、縦600px
- 各ダッシュボード:横:320px、縦498px
双方向性の面では、フィルタの数は最小限に、ダッシュボードに対して3つ以上のフィルタは避け、グローバルフィルターは使わずに、ダッシュボード内のチャートのみに適用させる等の対応をする事で混乱を避け、パフォーマンスを向上させています。[SALES MAP]ではマップを活用していますが、ここで使っているツールチップは普段は表示されませんが要素をタップした際に表示されるので非常に使い勝手が良いです。ツールチップ機能は情報や値を追加するための良い手段と成り得るでしょう。
Consider Wide or Long Dashboards (横長 or 縦長のダッシュボードを検討してみる)
スマートフォンでTableauコンテンツを表示させる際の『別のオプション』としては、1つのダッシュボードグラフのレイアウトを『水平方向』または『垂直方向』に展開させる事です。
水平方向の例は幅を1320pxに拡げ、1つのダッシュボードの中にグラフを配備します。この方式の場合、ロード時間が長く掛かってしまいます。(※下記画像をクリックするとTableau Publicへ遷移します。)
垂直方向の例では、画面レイアウトを横320px、縦1860pxとしています。エントリ執筆者は『水平方向より垂直方向の方が好きだ』と書いていますが、私もそちらの方が扱い易いのかな、と思います。(※下記画像をクリックするとTableau Publicへ遷移します。)
まとめ
以上、Tableauのビューやダッシュボードを『スマートフォン上で』展開させる場合のTipsについてのご紹介でした。プロジェクトでこのような展開を行う場合は利用端末を統一させる場合もあるでしょうし、逆にそのような統一を行わないケースもあるかも知れません。いずれにしても、状況に応じて表示させるコンテンツのサイズや見せ方についてはPC上で見せるものとは別に検討を行う必要はありそうですね。こちらからは以上です。